会計監査員の調査官松平、鳥居、ゲーンズブールは会計監査のため大阪へ実地調査。その調査時に謎の社団法人『OJO』の調査に行くも不在であった。
その後、『OJO』の実地調査へある理由で大阪に残っていた松平が一人調査を実施するが、この『OJO』は何と大阪地下に眠る『大阪国』を支配する組織であった。
『OJO』の存在目的は唯一つ豊臣の末裔である王女を守ることであり、そのために日本国政府より35年間で175億円も助成金を受け取っていたのである。
調査官である松平は謎の社団法人『OJO』の存在を認めるべきか認めないべいきか苦悩する最中、『OJO』の唯一目的である王女がひょんな勘違いで日本国警察に拘束されてしまう。
拘束の事実を知った『OJO』は大阪を全停止するという強行手段を選択することとなる。果たして調査官と『OJO』を巡る遣り取りは如何になるのかというのがのがこの物語のあらすじである。
この作品は万城目学氏の『鹿男あをによし』『鴨川ホルモー』に続いて関西3部作と言われている小説である。物語の読み易さから若干のおもしろさは感じるものの、読後感としてはあまりよくなかった。とういのも、大阪国を全停止した動機である王女に対する警察の拘束のくだりが、いまいち薄いし、大阪国という壮大スケールにはアンバランスなのではという印象を正直受けた。
大阪国という着想はこの作品のおもしろさではあるが、こんなことで大騒ぎしてしまうわけと頭にクエスチョンが離れず、読み終わってしまった作品でした。映画はそれなりに評判が良いようなので今度見てみようと思う。
点数:60点
2011年9月29日木曜日
2011年9月28日水曜日
中小企業のおやじがすごい『空飛ぶタイヤ』
池井戸潤氏が『下町ロケット』 で第145回直木賞をとった。
僕は彼が直木賞を取るまで彼の存在を知らなかったのですが、あまりにも評判がよいので試しに『空飛ぶタイヤ』を手に取ってみましたが、これが中々の傑作でした。
物語は三菱自動車のリコール隠しがベースとなっています。主人公は自動車運送業を営む中小企業の赤松社長。赤松社長が経営する運送会社のトラック自動車が事故を起こし、人を殺してしまいます。
事故の原因はトラック自動車の整備不良となるが、それに納得のできない赤松社長は事故原因の真相を探っていき、そして行き着いた事故原因は自動車会社であるホープ自動車の自動車の欠陥であったのです。
それを突き詰めた赤松社長は一人大企業のホープ自動車に対して立ち向かっていき、ホープ自動車のリコール隠しを暴くというストーリーです。
赤松社長は最後まで自分の仲間(家族、従業員、支援してくれる銀行等)のため、大企業の論理にも屈せず立ち向かっていく姿は本当に頼もしく感じられました。一方で著者は大企業のリコール体質、歪んだ組織をもきっちり描写しており、自然と読者は赤松社長を応援せざる負えないように仕向けられていく点は著者の実力を感じました。
折りしもこの作品を僕はタイのバンコクで読んでいました。初めてのバンコクでわくわくしていたのですが、タイでは日本製の自動車が9割ぐらい占めている感じでした。
勝手な想像ですがバンコクでは赤松社長のような中小企業の社長は存在しないのではないのかなと思いました。こうした赤松社長のキャラクターが生まれることもまた日本のよさなのでしょうか。
記憶を辿っていくとその時読んでいた本とその時居た場所が結びつくことが多々あります。恐らく自分がまたタイに行った時には池井戸潤氏の『空飛ぶタイヤ』が想い起こされるのではないかと思います。
バンコクの話は近日このブログに書きます。とういうことで・・・
点数:80点
僕は彼が直木賞を取るまで彼の存在を知らなかったのですが、あまりにも評判がよいので試しに『空飛ぶタイヤ』を手に取ってみましたが、これが中々の傑作でした。
物語は三菱自動車のリコール隠しがベースとなっています。主人公は自動車運送業を営む中小企業の赤松社長。赤松社長が経営する運送会社のトラック自動車が事故を起こし、人を殺してしまいます。
事故の原因はトラック自動車の整備不良となるが、それに納得のできない赤松社長は事故原因の真相を探っていき、そして行き着いた事故原因は自動車会社であるホープ自動車の自動車の欠陥であったのです。
それを突き詰めた赤松社長は一人大企業のホープ自動車に対して立ち向かっていき、ホープ自動車のリコール隠しを暴くというストーリーです。
赤松社長は最後まで自分の仲間(家族、従業員、支援してくれる銀行等)のため、大企業の論理にも屈せず立ち向かっていく姿は本当に頼もしく感じられました。一方で著者は大企業のリコール体質、歪んだ組織をもきっちり描写しており、自然と読者は赤松社長を応援せざる負えないように仕向けられていく点は著者の実力を感じました。
折りしもこの作品を僕はタイのバンコクで読んでいました。初めてのバンコクでわくわくしていたのですが、タイでは日本製の自動車が9割ぐらい占めている感じでした。
勝手な想像ですがバンコクでは赤松社長のような中小企業の社長は存在しないのではないのかなと思いました。こうした赤松社長のキャラクターが生まれることもまた日本のよさなのでしょうか。
記憶を辿っていくとその時読んでいた本とその時居た場所が結びつくことが多々あります。恐らく自分がまたタイに行った時には池井戸潤氏の『空飛ぶタイヤ』が想い起こされるのではないかと思います。
バンコクの話は近日このブログに書きます。とういうことで・・・
点数:80点
2011年9月27日火曜日
演劇 『雨』
原作:井上 ひさし
演出:栗山 民也
主演:市川 亀治郎 永作 博美
2011年6月に新国立劇場で行われた『雨』の演劇を先日BSで見ることが出来ました。初めてテレビ画面で演劇を見ることが出来どんな感じなのかと少しわくわくしながら見てみたところ、これがかなりの傑作で僕自身としてはすごく儲けものをした気分です。
主人公の市川亀治郎演じる徳は両国橋のふもとで金物拾いをする貧乏人。そんな貧乏人である徳がひょんなことから山形紅花問屋の失踪した若旦那に間違われることになります。失踪した若旦那にはきれいな妻がいてそれが永作博美演じるおたかです。それを知った徳は山形紅花花問屋の失踪した若旦那になりきることを決心します。
徳は回りの人の疑いの目をぎりぎりの所で交わしながら、紅花業を真剣に学び若旦那になりきっていきます。しかし徳が若旦那になりきることにおたかの巧妙な狙いが存在したのであった。
それは本物の若旦那には一つの罪がかけられており、お国から自害が言い渡されていました。本物の紅問屋の若旦那を隠し、代わりの若旦那(徳)を立てることで本物の若旦那の自害を免れることこそおたかの真の狙いであったのです。結果、徳は自害をすることになり物語は結末を向かえます。
この作品のおもしろいところは徳のなりすましを演じるどたばたを中心として物語が展開しながらも最後は残酷な結末をむかえるという巧妙に仕組まれたストーリーにあります。まさに井上ひさしの骨頂といったところでしょうか。
加えて徳の必死のなりすます姿が明治時代の欧米文化を吸収し本来の姿を失った日本人をだぶらせたというある種の世相をも浮き彫りにした点もこの作品の魅力です。
こうした徳の姿は別に明治の日本人に限らず、ありふれたひとの姿であると考えられ、自分自身も振り返って徳と重ね合わせてみると何か悲しくなるものです。ということで・・・
点数:85点
演出:栗山 民也
主演:市川 亀治郎 永作 博美
2011年6月に新国立劇場で行われた『雨』の演劇を先日BSで見ることが出来ました。初めてテレビ画面で演劇を見ることが出来どんな感じなのかと少しわくわくしながら見てみたところ、これがかなりの傑作で僕自身としてはすごく儲けものをした気分です。
主人公の市川亀治郎演じる徳は両国橋のふもとで金物拾いをする貧乏人。そんな貧乏人である徳がひょんなことから山形紅花問屋の失踪した若旦那に間違われることになります。失踪した若旦那にはきれいな妻がいてそれが永作博美演じるおたかです。それを知った徳は山形紅花花問屋の失踪した若旦那になりきることを決心します。
徳は回りの人の疑いの目をぎりぎりの所で交わしながら、紅花業を真剣に学び若旦那になりきっていきます。しかし徳が若旦那になりきることにおたかの巧妙な狙いが存在したのであった。
それは本物の若旦那には一つの罪がかけられており、お国から自害が言い渡されていました。本物の紅問屋の若旦那を隠し、代わりの若旦那(徳)を立てることで本物の若旦那の自害を免れることこそおたかの真の狙いであったのです。結果、徳は自害をすることになり物語は結末を向かえます。
この作品のおもしろいところは徳のなりすましを演じるどたばたを中心として物語が展開しながらも最後は残酷な結末をむかえるという巧妙に仕組まれたストーリーにあります。まさに井上ひさしの骨頂といったところでしょうか。
加えて徳の必死のなりすます姿が明治時代の欧米文化を吸収し本来の姿を失った日本人をだぶらせたというある種の世相をも浮き彫りにした点もこの作品の魅力です。
こうした徳の姿は別に明治の日本人に限らず、ありふれたひとの姿であると考えられ、自分自身も振り返って徳と重ね合わせてみると何か悲しくなるものです。ということで・・・
点数:85点
2011年9月26日月曜日
VHS vs beta 『陽はまた昇る』
監督:佐々部 清
主演:西田 敏行 渡辺 謙
製作:東映
公開年:2002年
全く予期せずしていい映画に出会うことはしばしばあることですが、僕にとってこの作品はそんな感じの出会いでした。たまたま古本屋で本を探していたところ佐藤正明著『陽はまた昇る』が目に付き購入。そのままレンタル屋に行ったら同名タイトルの映画に出会い見ることに決めました。
内容も非常によくできていて所謂VHSとbeta戦争が描かれていました。当時はまだ家庭での2時間録画というものがなく、それを可能にしたのが日本ビクターが開発したVHSなんですね。
同じサラリーマンとして西田敏行の夢を持ち最後まで諦めない姿勢に羨ましさを感じました。映画のワンシーンで西田敏行が部下に対してVHSが広く世界の家庭に普及し家族が録画したビデオを見ていることを想像するとそれはすごいことじゃないかと言うシーンがありますが、本当にそういうことを想像しながら仕事ができる事はすごいことです。
最近では日本のメーカーも韓国のメーカーに席巻され明るい話題がありませんが、もう一度この時代のように活力ある指導者・企業が出てくればと思います。
とういうことで、この映画は忘れていた何かを少しでも思い出せてくれたということで・・・
点数:80点
2011年9月25日日曜日
『ティファニーで朝食を』見て
主演:オードリー・ヘップバーン ジョージ・ペパード
配給:パラマウント映画
公開:1961年
自由奔放なホリーと売れない作家、大金持ちを取り巻くラブストーリー。オードリー・へップバーンが年取ってきたなと思いながら見てました。もう少し若い時に見ていた方が印象に残ったかもしれないかな・・・最初のシーンでオードリーがパン食べながらティファニーのショウウィンドウを見ているシーンと(タイトルである『ティファニーで朝食を』は『ティファニーで朝食を食べるご身分』という由来みたいです)
ラストシーンで売れない作家であるジョージ・ペパードがオードリーに向かって
『人のものになりあうことだけが幸福への道だ。自分だけは自由の気でいても生きるのが恐ろしいのだ。自分で作った檻の中にいるのだ。その檻はテキサスでも南米でもついて回る』
言うシーンはよかったですね。最近の自分を振り返ってみても納得できる気がします。
原作はトルーマンカポーティ。暇があったら読んでみようかな。ということで・・・
点数:65点
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